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2019.04.10

子どもの浴衣を着付ける手順を着付け師が紹介!

子どもの浴衣を着付ける手順を着付け師が紹介!

子どもの浴衣姿ってかわいいですよね。
子どもは小柄で体も寸胴に近いので、着付け自体は大人に比べて楽です。しかし子どもによっては着付けの最中にじっとしていられなくなる子もいるので、ポイントを押さえて手際よく着付けができるようになっておくと安心です。
今回は子どもの浴衣について、浴衣や帯の種類についてや、着付けの手順、ポイントをお伝え致します。

浴衣と帯の種類

浴衣と帯は、男の子と女の子で種類が変わります。

女の子

女の子の浴衣には、一般的な形のものの他に、裾がスカートのように広がって膝丈になっているタイプや、上と下が離れているセパレートタイプなどがあります。
セパレートタイプにも、裾になる方がワンピースになっていて普段着としても着用できるタイプもあります。スカートやセパレートタイプは小さいお子様向けに作られており、着付けが簡単にできるようになっています。帯は兵児帯や、作り帯があります。

男の子

男の子の浴衣は、一般的な形のものと、「甚兵衛」があります。甚兵衛はホームウェアと言われていますが、夏祭りに着ていく子どもも沢山いるので、外に着て出ても問題ありません。男の子の浴衣はおはしょりがないので、着る前に丈の長さを確認しておきましょう。
裾が大体くるぶしの辺りにきていれば丁度良いですが、くるぶしより長い場合でも着付けで調整することができます。
帯は兵児帯と、ワンタッチの角帯などがあります。

着付けの流れ

まず子どもの着付けに必要なものは、
・浴衣
・帯
・フェイスタオル(できれば白無地)
・腰紐(2~3本)
・帯板(作り帯を使用の場合)
・下駄
になります。下着は肌襦袢などではなくいつも着ているもので大丈夫ですが、もし浴衣が白地や薄い色であれば、下着の色や模様がうつらないように白、もしくは薄い色で無地のものにしておきましょう。
暑いので素肌に直接浴衣を着せたい方もいるかもしれませんが、下着は汗を吸い取ってくれて浴衣に直接汗がつくことを防いでくれるので下着は着ておいた方が良いです。

補正はタオル一枚のみ

まず、下着姿の状態でフェイスタオルを横半分に折り、お腹周りに巻いてあげます。
子どもは大人に比べて体が寸胴に近いので補正が必要なさそうに見えますが、汗を吸い取いとってくれるのと、腰紐の締め付けがお腹周りに直接あたらないという利点があるので、一枚フェイスタオルをお腹周りに巻いてあげた方が良いです。
タオルを巻いたら落ちないように腰紐で緩めに結びます。

衿の「y」の字確認

子どもに浴衣を着付ける時に注意するのは、衿の向きです。自分で着る時と反対になっていますので、どちらが上前か混乱してしまう場合があります。
その時は、自分から見て衿の形がアルファベットの「y」になっていれば大丈夫なので、着付けの時に確認しましょう。
・女の子の着付け
女の子はおはしょりがあり身丈が少し長いので、袖をを通したら裾が床かくるぶしあたりにくるまで持ち上げ、上前を決めます。
上前が決まったら後ろ身頃の裾を斜め上に少し上げて、上前を合わせてから腰紐を結びます。
大人の着付けでは腰紐はしっかりきつめに結びますが、子どもは締め付けすぎないようにします。腰紐を結んだら裾の長さを調整します。
腰紐をしめたら衿を作っていきます。衿ははだけないように、鎖骨が完全に隠れるくらい深めに交差させて、後ろの衣紋は抜きません。
次におはしょりを作ります。みやつぐちに手を入れて、前後のおはしょりを伸ばして整えます。きれいになったら帯を結ぶあたりの位置にもう1本腰紐を結びます。
スカートやセパレートタイプなど、小さい子ども用の浴衣は腰紐が浴衣に縫い付けてあったり、おはしょりが作られているものが多いです。その場合は縫い付けてある腰紐だけを結べば大丈夫です。
・男の子の着付け
男の子の着付けは、袖を通したら上前を決めて、後ろ身頃の裾を少し上げてから上前を前に持ってきます。
そして、腰紐を結んだら完成です。男の子も衿は鎖骨が隠れるくらい深く交差させ、後ろの衣紋も抜きません。

帯の締め方

帯の種類に分けて締め方が変わります。子どもの着付けでは、帯はきつく締めすぎないようにしましょう。
・兵児帯
兵児帯は現在沢山の結び方が紹介されていますが、基本的には男の子も女の子も体に一巻きして後ろでちょうちょ結びで大丈夫です。もし長すぎる場合は体にもう一巻きするか、女の子であればちょうちょ結びのタレ先の部分を結び目に通して垂らしたり、タレ先で更にちょうちょ結びを作るアレンジができます。
・作り帯(女の子)
女の子の作り帯は、体に巻く部分の「した帯」とリボンの部分とで分かれています。まず、した帯から巻きます。帯の位置は、おはしょりが約5センチ出るくらいで、帯の上側は胸の下あたりにきます。した帯には紐が2本ついていますが、紐が下側にくるように帯を結びます。下帯の端が後ろのリボンの部分にくるように調節し、調節できたら紐をちょうちょ結びでしっかり結び、帯の内側に隠します。
次にリボンを背中のした帯に差し込み、紐を前に持ってきてちょうちょ結びで結び、結んだら帯の中に紐を隠します。最後に帯板を挟むと、前のした帯がきれいに見えます。もし子ども用の帯板がない時は、厚紙を丁度良い大きさに切って帯に挟んでも良いですよ。
最後に帯の下側が緩んでないか指をあてて確認し、緩んでなければ帯結びの完成です。
・ワンタッチ角帯(男の子)
男の子用のワンタッチ角帯は、結び目が大体貝ノ口の形のになっています。マジックテープがついている方を裏にして腰に巻き、留めたら貝ノ口が後ろにくるように回したら完成です。

下駄は鼻緒を広げる、サンダルでもOK

帯を着付けたら、最後に下駄を履きましょう。履く前に、鼻緒をしっかり広げてあげると履きやすいです。特に新品の鼻緒は固いので足が通りにくく、足が痛くなりやすいので必ず広げてあげて下さいね。
もし一人で下駄が履きにくそうであれば、大人が下駄の前を抑えてあげると足が鼻緒に通りやすくなります。
普段履き慣れない下駄を履かせるのは不安という方は、履く前に前坪が当たる所にばんそうこうを貼ってあげると痛みを抑えることができます。
もしくは、浴衣のデザインによってはサンダルが合うものもあります。特にワンピースタイプやセパレートタイプの浴衣には洋風な柄も多いので、サンダルを履いてもあまり違和感のない場合もあります。

小物を使ってアレンジ

近年、浴衣や着物の着付けは自由度が高くなってきており、様々な小物を使ってアレンジやおしゃれを楽しむ人が増えています。子どもの浴衣でも、小物を使っておしゃれにすることができます。
例えばヘアアレンジにかんざしや可愛らしい髪飾りをつける方がいらっしゃると思いますが、麦わら帽子をかぶるのもおしゃれです。以外と浴衣と麦わら帽子って合うんですよね。女の子はもちろん、男の子もかぶれるのでお勧めです。
そして女の子は、帯周りにコサージュや飾り紐、レースをつけたり、2色の兵児帯の使ったアレンジ結びなどができます。
また上級者向けの技として、着物でいうところの半衿のように衿元にレースをつけることもできます。子どもの浴衣姿を少しでもかわいくしたいという方や、周りと差をつけたいという方、試してみてはいかがでしょうか。
以上が子どもの浴衣を着付ける手順です。
是非子どもに浴衣を着せて、家族で夏祭りに行って見てはいかがでしょうか。


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