枯山水の石庭が見どころの京都の文化財「龍安寺」とは?
枯山水といえば龍安寺が有名です。教科書にも掲載されているほどで、修学旅行に訪れた人も多いことでしょう。
ですが、それ以外の見どころは覚えていますか?枯山水があまりにも有名すぎるため、他を覚えている人は少ないと思います。
京都の文化財である龍安寺には、どのような見どころがあるのか?龍安寺について紹介します。
龍安寺ってどんな寺?
龍安寺は、京都市右京区にある臨済宗妙心寺派の寺院です。
本尊は釈迦如来。仏教の開祖でもあり「お釈迦様」として日本で馴染み深い仏様です。
ちなみに、中国四大奇書の一つ「西遊記」で三蔵法師に天竺に行くよう仕向けた人物(仏)であるほか、芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」で罪人であるカンダタに、蜘蛛の糸を垂らした人物でもあります。
世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成遺産にも選ばれているほか、イギリスの女王であるエリザベス2世が日本に来日した際、龍安寺の枯山水を絶賛したなど、世界的にも知られています。
龍安寺の歴史
龍安寺は1450年に、細川勝元によって創建されました。元々は円融天皇の御願寺である円融寺の境内地でしたが、衰退していたため、細川勝元が譲り受け新たに寺院へと改修したのです。
ですが、1467年。応仁の乱によって龍安寺は焼失してしまいます。後に、細川勝元の子供である細川政元と4世住持・特芳禅傑によって再建。織田信長、豊臣秀吉らから寺領を付与されます。
その後も、火災により主要伽藍の焼失や集中豪雨による被害が生じましたが、補修を重ね、現在へとつながっていくのです。
そして、1975年にエリザベス2世の拝観。1994年に「古都京都の文化財」の構成遺産として、世界文化遺産に登録されます。
龍安寺への道のり
龍安寺へは、電車で行くことができます。「龍安寺駅」から降りて約7分の距離です。
また、市バスの場合には「龍安寺前」が最も近いです。下車してすぐ目の前が龍安寺になります。
- 住所:京都府京都市右京区龍安寺御陵下町13
- 電車アクセス:京福電気鉄道鉄 龍安寺駅下車から徒歩約7分、
- 市バスアクセス:市バス59番系統 龍安寺前下車から徒歩約1分
龍安寺の見どころ
石庭(枯山水)
龍安寺といえば、やっぱり石庭が一番有名です。石と砂だけで作られた石庭は、独特な趣があり、静けさが感じられるでしょう。
幅25m、奥行きは10mの石庭の中には、東から5、2、3、2、3個づつ計15個の石が配置されています。また、奇数は陽数と呼ばれ縁起のいい数字であることから、5と2(7)、3と2(5)、残りの3(七五三)として分けることもあるようです。
石庭の石は「どこから見ても必ず14個しか見えない」不思議な配置をしています。これは、東洋では「15」という数字は「完全」を現しており、一つ隠れることで「不完全」を表現しているからだそうです。
不完全な石庭を見つめることで「足りないものを見つめ、今の自分自身に感謝する心を持つ」という思いが込められています。
趣のある庭園としても見ものですが、意味を知ることで、深く考えさせられるでしょう。
知足の蹲踞
知足の蹲踞とは、水戸光圀が寄進した手水鉢のことです。手を清めるための手洗い場であり、龍安寺の手水鉢は銭の形をしています。
手水鉢には「五・隹・疋・矢」と刻印されていますが、中央の部分にある水を貯めて置く場所を「口」として見ることで、「吾・唯・足・知」へと読み方が変わってきます。
「吾・唯・足・知」とは「吾れ唯だ足ることを知る」と読め、「知足のものは貧しといえども富めり、不知足のものは富めりといえども貧し(欲を出さず、今の自分や生活を大切にすること)」という禅の格言を表した言葉になります。
一見すると変わった手水鉢でしかありませんが、深い意味を持つありがたい言葉が刻まれているのです。
鏡容池
龍安寺には、大きな鏡容池があります。池の周囲にはモミジを始めとした様々な木々が植えられており、四季折々の姿が楽しめます。
秋になれば赤一色に染まりとても綺麗です。鏡容池にも紅葉の色は映され、ワビサビを感じるでしょう。
平安時代に徳大寺家の別荘であったころ、池に船を浮かべて歌舞音曲を楽しんでいたそうです。
美しい景色であることから、平安当時は石庭よりも有名だったと伝えられています。
現在では、四季折々の草花だけではなくカモやサギなどの水鳥も羽根を休めに訪れており、京都(龍安寺)の自然を満喫することができます。
龍安寺周辺のおすすめスポット
龍安寺周辺にあるおすすめ観光スポットを紹介します。龍安寺を観光した後は、ぜひ一緒に観光してください。
金閣寺
龍安寺の近くには、有名な金閣寺があります。金色で覆われた舎利殿金閣はよく目立ち、威厳を感じます。晴れた日には池に映され、風情ある金閣を拝むことができるでしょう。
また、金閣から奥に進むと龍門滝があります。「龍門の滝を鯉が登りきると龍に化する」という中国の故事因んだ鯉魚石が置かれており、いままさに跳ね上がらんとする龍の姿を表現しているのです。
他にも、悠然と佇む総門や唐門。傾きかけた金閣寺を復興した鳳林承章の茶席「夕佳亭」など、金閣以外にも趣のある見どころがそろっています。
- 住所:京都府京都市北区金閣寺町1
- アクセス:京福電気鉄道 北野白梅町駅から徒歩約19分
仁和寺
仁和寺は、龍安寺と同様に世界文化遺産に登録された寺院です。
真言宗御室派の総本山でもあり、五重塔や二王門など江戸時代に建立された建造物が立ち並びます。
国宝や重要文化財に指定された建造物は、どれも歴史と威厳が感じられおすすめです。
また、春には御室桜が咲き乱れます。背が低いことが特徴で、ソメイヨシノなどよりも間近で桜を鑑賞できるでしょう。
江戸時代の儒学者・貝原益軒が書いた、「京城勝覧」によると、桜の名所である吉野の桜にも劣らない美しさだと絶賛されているほどです。
- 住所:京都府京都市右京区龍安寺御陵ノ下町13
- アクセス:京福電気鉄道鉄 御室仁和寺駅下車、徒歩約3分
等持院
等持院は、臨済宗天龍寺派の寺院です。足利将軍家歴代の菩提所でもあり、足利尊氏の墓所としても知られています。足利15代の歴史を語る重要な資料や文化財が保存されており、足利家の歴史を学ぶことができます。
霊光殿には本尊である利運地蔵尊が治められているほか、足利歴代の将軍像や徳川家康の像もあり迫力があります。
また、庭園では様々な草花が咲いています。春に咲く有楽椿や秋のモミジなど、四季の移り変わりを楽しめます。芙蓉池を見ながらお茶で一息入れることもでき、時間を忘れてのんびりできるでしょう。
- 住所:京都市北区等持院北町63番地
- アクセス:京福電気鉄道北野線 等持院駅下車、徒歩約10分
自身に問いかけ禅を知る龍安寺
龍安寺の石庭(枯山水)には、自身を見直す「禅」の考えが組み込まれています。
見て美しいと感じるだけではなく、自身の在り方を見直してみるのも良いでしょう。
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悩みがある人は、ぜひ龍安寺で答えを捜してみてください。
この記事の著者
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