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2020.02.21

訪問着を着る機会はいつ?

訪問着を着る機会はいつ?

着物と言えば訪問着。既婚未婚を問わず着られて、華やかな模様が美しい着物です。でも、「どこに着ていくの?」「ここに着ていっても大丈夫?」など迷いが多い着物でもあるんですよね。
それは、訪問着の色柄がたくさんありすぎるからではないでしょうか。反対に言うと、どんなところへも着ていけるということになります。
それでは、訪問着とはどんな着物なのか、どこに着ていけて、どんな色柄がおすすめなのか見ていきましょう。

訪問着とはどんな着物?

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訪問着は、既婚未婚の区別なく着られて、全体に描かれた模様が美しい着物です。また、礼装用の袋帯を締めれば準礼装に、名古屋帯や金銀の少ないおしゃれ帯を締めれば、外出着やパーティー着にもなる万能着物です。

訪問着は社交のための着物

訪問着は、社交のための着物として、大正時代に産声を上げました。小紋や留袖は江戸時代にその原型が生まれていますから、訪問着は新しい着物と言えます。そして、現在最も人気があり、着用範囲の広い着物となりました。
結婚式や披露宴はもちろんのこと、茶会や観劇、各種パーティーに参加したり、同窓会や年賀、結納や結婚後のあいさつ、子供の行事の付き添いに着用したりと、数え上げたらきりがありません。
それは、訪問着の色柄が豊富で、社交目的に合わせて選ぶことができるからです。ぜひとも、素敵な一枚を選んでお出かけください。

訪問着は留袖に次ぐ準礼装の着物

訪問着は、留袖に次いで格のある準礼装の着物です。
紋をつける場合は一つ紋が一般的ですが、最近の訪問着は模様が全体に描かれているために、紋をつけにくくなってしまいました。ですから、紋がなくても、訪問着は準礼装として装うことが認められています。
訪問着は、おめでたい古典柄を選び、帯は礼装用の金糸銀糸色糸で織り出した袋帯を締めると、準礼装としてふさわしい装いとなります。

訪問着は華やかな絵羽模様が特徴

訪問着は、その全体に描かれた模様が一枚の絵のように美しい着物です。模様は、胸から肩、そして袖へ、裾模様も前から脇、背中へと続くもので、これを絵羽模様と言います。また、同じ布の共八掛がついているのも特徴です。
訪問着を染めるときは、白い生地を裁って一度着物の形に縫い合わせます。この状態で下絵を描くと、縫い目をまたいで柄がつながるのです。下絵が描けたら糸をほどいて、再び反物の状態になるように縫い合わせ、友禅や刺繡、絞りなどで下絵通りに染めます。
染めあがったものは、再び着物の形に縫い合わされ、これを仮絵羽と呼びます。私たちが訪問着を購入するときは、この仮絵羽の着物を見て、色や柄を選ぶわけです。社交目的にかなった素敵な色柄を選びたいですね。
もっと詳しく訪問着について知りたい方はこちらをご覧ください
【基礎知識】訪問着と色留袖の違いは?
付け下げと訪問着の違いとは?
訪問着と振袖の違いは?

訪問着はどこに着て行けるのか?

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訪問着は、どこにでも着ていけると言っても過言ではありません。しかし、一枚の着物をすべての場所に、というのは無理があります。社交の場所や目的にかなった色柄を選ぶことが大切です。

訪問着を着て結婚式や披露宴に

結婚式や披露宴に招かれたら、訪問着の出番です。お祝い事にふさわしい縁起の良い古典柄を選んで出席しましょう。
また、秋には紅葉や菊の柄、春には牡丹や藤の花というように、季節感のある訪問着も素敵ですね。訪問着の中から華やかな色柄を選んで、おめでたい気持ちを伝えてください。

訪問着を着て茶会や観劇・パーティーに

茶会には、控えめな美しさを持つ季節の花の訪問着をおすすめします。観劇やパーティーには、思いっ切ってモダンな抽象柄はいかかでしょうか。どちらも、多様な模様を描くことができる訪問着ならではの楽しみ方です。

訪問着を着て七五三や入学式卒業式に

子供の成長は、母親にとって喜ばしいものですよね。その喜びを訪問着に込めてみてはいかがでしょうか。とはいえ、華美すぎる色柄は、せっかくの行事を台無しにしてしまいかねません。淡い色に控えめな古典柄で、晴れがましい思いを表現しましょう。
また、淡彩で描かれた雲やヱ霞の柄、ぼかし染めの訪問着も、控えめながらも上品な雰囲気で式典にふさわしい着物です。

訪問着のおすすめの色と柄は?

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たくさんの色柄がある訪問着。具体的にはどんな色柄があるのか、おすすめのものをご紹介します。

黒地に吉祥模様の訪問着

黒い色は、改まった印象を与える色ですよね。個性的な色に思われがちですが、黒の地色に吉祥模様の訪問着は、おめでたい席にぴったりの着物なんです。
吉祥模様は、古典柄の中でもおめでたい意味を持つ柄がそろっています。松竹梅・牡丹唐草・四君子(蘭竹菊梅)などの植物柄に、扇・貝桶・御所車などの道具柄、鶴や亀、鳳凰などの動物柄もあり、バラエティー豊かなものです。
黒留袖を作るには早いけれど、その代わりに改まった一着が欲しいとお考えの方に、黒地の訪問着はいかがでしょうか。

白茶の地色に茶屋辻模様の訪問着

白茶の色は、白でもないし茶色でもない不思議な色で、たおやかな雰囲気を持っています。合わせて、茶屋辻模様は江戸時代から続く伝統柄で、季節の草花が咲く中にどこか懐かしい風景が描かれているものです。
この訪問着ならば、袋帯を締めて改まった席に、名古屋帯を締めれば観劇や食事会にと、お出かけの機会は増えるばかりですね。

淡い地色に春秋模様の訪問着

淡い桃色や水色の地色に春秋模様の訪問着は、ちょっと控えめに装いたいときに重宝する着物です。春秋模様とは、春と秋の草花を一枚の着物に染めたもの。夏を除いて3シーズン着用できます。
春秋模様の訪問着は、気軽なパーティーや茶会に、また、七五三・入学式・卒業式などの子供の行事の付き添いにもおすすめです。

まとめ

訪問着を着る機会は、結婚式を始めとして、茶会・観劇・パーティーに子供の行事とたくさんあります。大切なのは、場所や目的に合わせてふさわしい色柄を選ぶことです。あなただけの一着を華やかに着こなしてみませんか。