着物と浴衣の違いとは?5つの違いを説明
皆さんは、着物と浴衣をどんな時に着るイメージがありますか?着物は成人式や結婚式などのイベントで着られ、浴衣はお祭りや花火大会などに着ていくイメージがあると思います。
着物も浴衣も形や雰囲気は一緒なのに、どうして着ていく場所が違うのか、成人式や結婚式にどうして浴衣で行ってはいけないの?
そもそも着物と浴衣にはどんな違いがあるのか。
似た者同士の着物と浴衣の違いを、今回は5つご紹介していきます。
歴史の違い
昔を振り返ってみると、着物と浴衣の起源は大きく異なります。どのような違いがあるのでしょうか。その違いをみていきましょう。
着物の歴史
着物とは、KIMONOとして国際的にも通用する日本の伝統的な衣装のことを指しますが、本来の意味は、読んで字のごとく「着る物」を意味し、衣服全般をあらわす言葉でした。
昔は日常的に着ている服を着物と呼んでいたんですね。
また、現在の形の着物になったのは、平安時代に入ってからといわれています。
それまでは、ズボンやスカート方の衣服に上衣の組み合わせや、ワンピースタイプの衣服が主流でした。
あれ?現代人の服装に似ているなぁ…そう感じてしまいますよね。
平安時代からは着る人の体型にとらわれず、生地を直線に裁ち縫い合わせる方法で衣服を作る、いわゆる現在の着物が作られるようになりました。
この方法は「直線裁ち(ちょくせんだち)」と言われ、生地を無駄なく使える、簡単にたためるというメリットがあります。
また、寒い時には重ね着をしたり、暑い時は涼い素材を使ったりと、色々な応用や工夫が取り入れられて、多くの種類の着物が作られ発展していきました。
浴衣の歴史
浴衣は、現在の着物の形になった平安時代が起源とされています。
当時の人々が蒸し風呂に入る時、水蒸気で火傷をしないようにと麻で作った着物「湯帷子(ゆかたびら)」を着たことから始まりました。
時代の流れとともに湯帷子は、風通しが良く、汗をよく吸ってくれるので、現在のタオルやバスローブのような役割で、入浴後に着られるように変化していきます。
呼び方も湯帷子から次第に「ゆかた(浴衣)」と省略して呼ばれるようになりました。
江戸時代には、湯上り用のファッションから外出着として着用されるようになり、さらっと着やすい浴衣は夏の普段着として定着していきました。
用途の違い
『歴史の違い』を比べてみてわかったことは、浴衣は着物の一種であり、夏に着る薄手の着物であることがわかりましたね!
現在でも、着物はフォーマル用で浴衣はカジュアル用と定着しています。
日常生活の中で着物を着る機会は少なくなりましたが、一般的に着物は晴着(はれぎ)とも呼ばれ、結婚式やパーティーなどのお祝いの席や、お茶やお花の席、初詣や成人式、などのフォーマルウエアとして着られています。
また、冠婚葬祭や歌舞伎などの舞踊や美術館鑑賞の際も着物を正装として選ぶことも多いです。
日常的な場面から生まれた浴衣は、公式な場面には着ていけませんが、夏祭りや花火大会、盆踊り、カジュアルな食事会など、夏のイベントに着られています。
素材や生地などの特徴の違い
着物と浴衣で主に使われている素材や特徴にも違いがあります。
着物の特徴
着物素材の中で、最上級の位置付けなのは絹素材です。付下げや訪問着などの高級着物には絹が多く使われています。麻やウール、ポリエステル素材の着物もあります。
- 絹:光沢があり柔らかい素材で付下げや訪問着などに使用されています。
- 麻:薄手でハリのある素材で主に夏着物に使用されています。
- ウール:厚手でシワになりにくく汚れにも強いので冬の普段着に多く使用されています。
- ポリエステル:化学繊維のため強度があり自宅で洗濯もできるので様々な種類の着物に使用されています。
浴衣の特徴
昔は麻が主流でしたが、現在は木綿がよく使われています。綿と麻の混合生地などもありますが、最近はポリエステル製の浴衣も多く発売されています。
- 木綿:汗や水分をよく吸収し洗濯もできるので浴衣では定番の素材です。
- 麻:他の素材より固くシワになりやすいですが、肌触りが良く吸収性や発散性が高い素材です。
- ポリエステル:とろみ感のある肌触りで、汗を吸収し速乾性もあるので取り扱いやすい素材です。
身に付けるものの違い
浴衣は着物の一種なので、基本的に着物と見た目の形状はほぼ同じです。
和服売場や和服を着ている人をみて、着物なのか?浴衣なのか?なんとなく区別ができても、判断が難しい場合もありますよね。
着物と浴衣の身に付けるものの違いを比べてみましょう。
襦袢(じゅばん)
- 着物の場合:ほとんどの場合、着物の下に肌襦袢や長襦袢を着ます。肌襦袢は下着の感覚で、着物を長襦袢は重ねて着ているように見せるための着物です。
- 浴衣の場合:もともと湯上りに着るものだったということもあり、基本的には浴衣の中に何も着ないので襦袢は使用しません。
ただ、浴衣一枚では心配な場合もあるので浴衣用の下着を着用することが多いです。
透け感が涼しく感じさせるので、浴衣での外出は夏限定とされています。素材やデザインによっては、浴衣でも長襦袢を重ねて夏着物のような使い方ができるものもあります。
帯
- 着物の場合:着物の素材や種類によって異なりますが、袋帯、名古屋帯、半幅帯を使用します。
- 浴衣の場合:一般的には半幅帯を使用します。他の帯だと厚みが出て暑苦しい印象を与えてしまうので、浴衣に半幅帯をアレンジして結ぶのがおすすめです。
草履、下駄、足袋
- 着物の場合:足袋を履いてから草履を履きます。
- 浴衣の場合:一般的には足袋を使用せず裸足で下駄を履きます。
着付け方法の違い
着物と浴衣の着付けは、『身に付ける小物の違い』のように中に着ているものなどが異なるので、着付け方法にも違いがあります。
衿合わせは右前であることは共通で、丈を合わせるためのおはしょりの仕方は、着物も浴衣もほぼ一緒ですが、着物は長襦袢を着ていることや帯の締め方、着物の格によって着付け方法が異なるなど、浴衣よりも着付けにかかる手間も時間も変わってきます。
一方の浴衣は、着物よりも簡単に着付けることができるので、初めて自分で着付けをするという方でも、浴衣の着付けはチャレンジしやすいです。
浴衣に使用する帯も、着物の帯より幅も狭く長さも短いので結びやすいことと、帯の結び方で雰囲気を変えられるので、たくさんアレンジをすることができます。
着物の帯を結ぶ時に必要な帯締めも、浴衣ではアクセサリー感覚で楽しめたり、帯留めを使って華やかに演出したりと、着物とはまた一味違う遊び方もできるのが、浴衣の着付けの楽しいところです。
まとめ
なんとなく着物と浴衣が違うことは認識できていたとしても、意外と知らない両者の違いを知ることができました。
見た目で分かる着物と浴衣の最大の違いは、中に襦袢を着ているか、足袋を履いているか、ということですね!
用途に合わせた着方をして、日本の民族衣装である着物、そして夏の風物詩に合う浴衣を着こなしていきましょう。
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