【5分解説】着物と浴衣の違い5つのポイント
だんだん暑くなってきましたね。もうすぐ夏祭りや花火大会の季節ですが、浴衣を着て参加する予定の人も多いのではないでしょうか。
そもそも、浴衣と着物は何が違うのか、浴衣を着る時期や着られる場所など分からないことって意外といろいろありますよね。
そこで、着物と浴衣の違いを5つのポイントで解説していきます。
TPO、シチュエーション、時期
まず、浴衣はいつどんな時に着るものなのかをご説明します。
一般的に浴衣は、夏(6月中旬~8月)に着用します。着ていく場所は、夏祭りや盆踊り、花火など夏のイベントや、日中でも街着としても着られます。
浴衣は和服の中でも一番カジュアルな装いになるので、式典などのめでたい席や「〇〇会」といった多くの人が集まる場所、高級なレストランなどには着ていけません。
もともとは平安時代に貴族が沐浴の際に着ていた「湯帷子(ゆかたびら)」から始まったと言われており、だんだん湯舟に入る習慣ができてくると湯上り後に着られるものになっていきました。現在は旅館などに行くとお風呂上りに浴衣を着ますね。
夏祭りなどに着る浴衣は外出着ですが旅館などの浴衣はあくまでも寝間着になるので形は似ていますがこれらは別物です。
次に、着物のTPOや時期についてご説明します。着物の場合、季節や着る場所によって着物を変えることで一年中どこでも着ることができます。
季節
・袷(あわせ)・・・10月~5月に着る。裏地(胴裏、八掛)がついている着物。
・単衣(ひとえ)・・・5月~6月、9月~10月に着る。裏地がついていない着物。
・絽、紗(ろ、しゃ)・・・6月下旬~8月に着る。通気性の高い着物。
また、TPOによっても着られる着物が変わります。着物の種類には礼装用と普段着用があり着ていく場所によって変えます。
礼装用
振袖・・・未婚女性の第一礼装です。成人式や結婚式などで着られます。
留袖・・・既婚女性の第一礼装です。親族の結婚式で着ます。家紋が5つついている。
訪問着・・・年齢や既婚、未婚問わず幅広く着られる。
付下・・・柄が控えめな礼装。
色無地・・・柄のない着物。茶道で着たり、入学式、卒業式など自分が主役ではない式典にぴったりの着物。
普段着用
小紋・・・同じ柄が着物全体に続いている。
紬・・・生地を織る前に糸を染める着物。柄行きは小紋と同じで小紋よりカジュアル。
簡単に着物と一言で言っても、TPOや格式などによって種類があるんですね。
見た目の違い
着物と浴衣の見た目の違いは、主に3点あります。
まず、着物は着物の下に肌襦袢と長襦袢という下着のようなものを着ますが、浴衣は肌襦袢、もしくは下着の上にそのまま浴衣を着ることができます。
次に浴衣の帯は半幅帯や兵児帯を付けるのが一般的ですが、着物は名古屋帯、袋帯を結び、帯締め、帯揚げという小物で締めます。最後に、着物は足袋に草履を履きますが、浴衣は素足に下駄を履きます。
最近はおしゃれとして浴衣の時でも下駄に夏用のレース足袋などを履く人もいますが、一般的には素足に下駄を履きます。
あと見た目で分かる違いでは浴衣の柄は着物より派手なものや、夏らしい柄が使われているものが多いです。浴衣はお祭りや花火大会など夜に着ることが多いので、夜でも映える色彩や柄が使われているものが多いです。
また浴衣は夏に着られるものなので夏の花や花火、うちわ、金魚など夏らしい模様が描かれているものもたくさんあります。
素材の違い
着物も浴衣も現在沢山の素材がありますが、一般的に着物は絹、浴衣は綿で作られているものが多いです。
その他、下記の素材があります。
- 浴衣の素材・・・綿、ポリエステル、麻、、絞り、綿紅梅、絹紅梅など
- 着物の素材・・・正絹、綿、ポリエステル、麻、絞り、など
着物の素材である絹は肌触りが良いので着心地が良く絹の滑りも良いので着付けの時も楽です。
ただ正絹は自分で洗濯ができず、タンスにずっとしまっておくとシミができて酷い時は裏地が全て茶色く変色してしまうので、陰干しや乾燥剤を入れるなど管理が難しいところがあります。
一方綿でできている浴衣は、肌触りは普通ですが、自分で手洗い洗濯ができ、管理もたとう紙に入れるか、たたんでタンスにそのまま入れてもシミができにくいという利点があります。
浴衣の中でも綿紅梅、絹紅梅、絞りの浴衣は高級浴衣と言われています。特に絹紅梅はその名の通り絹でできており、浴衣の中でも高級品で、金額も10万円以上するものがあります。
浴衣としても着られるし、長襦袢と足袋、夏用の帯、帯締め帯揚げを締めて夏着物として着ることもできるので、通常の浴衣より着て出かけられる範囲が広くなります。
綿紅梅は素材は綿で、こちらも夏着物としても着ることができます。金額は絹紅梅より少し安いものが多いですが、それでも5~10万円のものもあります。
絞りの浴衣とは浴衣の生地全体、もしくは部分的にを絞り染めという方法で染めた浴衣のことです。
絞り染めとは布を糸や機械で挟んで染める方法で、絞りの数が多い程手間もかかるのでその分金額も通常の浴衣より高いです。
着付けの違い
見た目の違いでもお伝えした通り、着物は長襦袢、帯、帯締め帯揚げ、足袋を履くので、その分着付けの段階が増えます。
着物と浴衣の着付けに必要なものと、着付けの段階を比較してみましょう。
着付けに必要なもの
着物
- 着物
- 長襦袢
- 半衿
- 衿芯
- 帯(袋帯or名古屋帯)
- 肌襦袢
- 裾除け
- 足袋
- 腰紐(3本)
- 伊達締め(2本)
- 帯板
- 帯枕
- 帯締め
- 帯揚げ
- 草履
- コーリンベルト
浴衣
- 浴衣
- 帯(半幅帯or兵児帯)
- 肌襦袢(ワンピースタイプ)
- 腰紐(2本)
- 伊達締め(1本)
- 帯板
- 下駄
- コーリンベルト
- 帯飾り
※コーリンベルトがあると衿元がしっかりと決まり着付けが安定しますが、なくても着ることはできます。
着付けの手順
着物と浴衣の着付けの違いについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。「浴衣と着物の着付けの違いとは?5つのポイントで徹底解説!」
着物
肌襦袢→長襦袢→着物→帯(帯締め、帯揚げ)→草履
浴衣
肌襦袢→浴衣→半幅帯or兵児帯→下駄
ご覧の通り、浴衣の方が着物よりも必要な小物や着付けの手順も少ないので、気軽に着ることができますね。着物の着付けを始める人の中でも、最初は浴衣の着付けから始める方が多いです。
着物と浴衣の着付けは基本的には同じで、どちらも左側が上前になりますし、おはしょりも同じように作ります。
少し違うところは、着物の裾は床すれすれに着るのに対し、浴衣は裾がくるぶしあたりにくるように短めに着ます。あとは浴衣の方がカジュアルなので、あまりルールに縛られず小物などを使って着付けを楽しむことができます。
例えば帽子を被ったり、兵児帯を2本使って帯結びをアレンジしてみたり、帯飾りで色んなアレンジを楽しむことができます。
他にも、ちょっと大きめに衣紋を抜いてみたり半幅帯の裏側を出してみたりと、浴衣のアレンジは山ほどあるので、色々試してみてはいかがでしょうか。
普段着の着物と礼装用の着物の違い
上記で浴衣が着物よりもカジュアルな和服ということをお伝え致しましたが、着物にもカジュアルな普段着と格の高い礼装用があります。
観光などでレンタル着物を利用する時に着る着物は小紋、紬という普段着として着る着物ですが、結婚式などの式典で着る着物には、振袖や訪問着といった礼装用の着物を着ます。
振袖と訪問着は礼装用の着物の中でも私達が着る機会がある着物なので、この2つの着物についてご説明し、普段着と礼装の着物の違いについてお伝えしたいと思います。
振袖
振袖とは未婚女性の第一礼装と言われており、多くの女性が成人式で着ます。見た目は袖が長く、帯結びも帯飾りなどを使用しとても華やかな着物です。成人式以外では結婚式や、卒業式で袴と合わせて着ることができます。
20歳で既に結婚している方の場合、成人式で振袖を着る人は今はたくさんいますが、成人式以外の式典では訪問着を着た方が良いと思います。
訪問着
訪問着は未婚、既婚問わず着ることができ、着ていく場所は結婚式、お茶をされている方はお茶会、子どもがいる方は七五三や入学式、卒業式など幅広く着ることができる着物です。
普段着との違い
振袖や訪問着と普段着の小紋や紬との違いは、まず普段着の着物の柄は同じ模様が着物全体にありますが、振袖や訪問着は「絵羽模様」といって裾付近の柄が一枚の絵のようにつながっています。
そして、振袖や訪問着にはめでたい柄が使われていることが多いです。近年、洋風な柄の着物も増えてきましたが、従来の古典柄の振袖や訪問着には松竹梅や花模様、熨斗目の柄などが書かれたものが多いです。
また、振袖や訪問着で着られる着物や帯、帯締め帯揚げ、草履などの小物には金糸や銀糸が使われているものが多く、式典などに着ていくと金、銀糸がとても映えます。
以上が着物と浴衣の違いです。
浴衣は気軽に着られるカジュアルな着物ということが分かりましたね。着ていく場所やTPOには少し気を付けて、浴衣でのお出かけを楽しみましょう。
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