困ったら!男性浴衣の着付けで帯を簡単に結ぶ方法
夏の風物詩のひとつ、浴衣。男性の浴衣姿って、粋でかっこいいですよね!
とは言え、めったに着る機会のない浴衣の着付けに戸惑う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここでは、特に帯に焦点を当てて、簡単に結ぶ方法をお伝えしちゃいます!
男性浴衣の帯の種類について
まず、男性の浴衣の帯の種類についてお話しますね。
男性用の帯は、女性用と比べて種類が少なく、「角帯」と「兵児帯」の2種類しかありません。
また、浴衣と着物の両方で使えますので、オーソドックスな色合いのものを一本持っておくととても便利です。
一般的に、男性用の帯と聞いて思い浮かぶのは角帯でしょうか。角帯は、礼装から普段着まで幅広く使うことができます。
素材は絹や綿、麻、ポリエステルなどさまざま。暑い夏用には絽など、薄く透けるように織られているものもあります。
兵児帯は幅広でとてもやわらかい生地で作られており、カジュアルなシーンに使用します。
総絞りなど高級品もありますが、あくまで普段着用であり、礼装に使うのはNGです。素材は角帯とおなじく、絹や綿、麻、ポリエステルなど。最近ではやわらかめのデニム生地など、現代ならではの生地もあります。
兵児帯の結び方
角帯、兵児帯ともにそれぞれに良さがありますが、角帯はちょっと敷居が高いなと感じる方には、兵児帯がおすすめです。
兵児帯は、大幅(約74cm)と中幅(50cm)の2種類があります。ふわっとやわらかく結びやすいことから、初心者向けの帯と言えます。
以下、基本的な結び方について簡単にご説明しますね。
①帯を長辺で4つ折りにします。
4つ折りの仕方:まず裏側を上にして、中心線に向かって両端を合わせるように折ります。さらにもう一度折って完成。
帯の幅は好みがありますので、好きな幅にしていただいてOKです。
また、折り山部分のことを「わ」といいますが、「わ」は下側にしましょう。
②兵児帯を背中側の腰紐の位置に持ってきます。
このとき、体の右側に出ている帯の長さは40~50㎝程度を目安にしてください。
この右側に出ている帯の部分を「手(て)」といいます。
③「手」の逆側、体の左側に出ている部分「垂れ」を胴に巻いていきます。
まず2周させてください。
帯の長さや体格によっては、もう1巻きしましょう。
このとき、「垂れ」が上側、「手」が下側になります。
④前で蝶結びをします。
下に垂れている2本の部分のうち、どちらかを長くしておきます。
⑤長い方の先を帯の下にくぐらせて上へ通し、結んだ部分にかぶせます。
結び目を隠すように、広げてかぶせましょう。
⑥結び目を右回りに後ろへ回します。
逆に回すと、せっかく着付けた浴衣が着崩れてしまいますので、気をつけましょう。
結び目は、背中の真ん中から左右どちらかに少しずらした方がこなれた風に見せることができます。
⑦前側の帯のずれや幅、浴衣のしわや襟などをさっと整えます。
帯は、体を横から見たとき、結び目が前側より少し上にくるようにすると、見た目が良くなりますよ。
以上で完成です。
気をつけたいのが、兵児帯はやわらかいので、角帯に比べてゆるみやすいということです。
細身の方は、肌着の上からウエストをタオルなどで補正しましょう。
また、帯を巻くときにおなかを少し引っ込めておくとずれにくくなりますが、苦しくない程度にしてくださいね。
さて、次は角帯を結んでみたい方のために、簡単でもっとも人気のある「貝の口」という結び方についてご説明します。
貝の口の結び方
男性用の帯結びのひとつ、貝の口。帯が2枚重なった部分が貝の口に似ているのでこの呼び名があります。
また、半幅帯を使って女性も結ぶことができます。古くから愛されており、男性用の結び方の中で、もっとも人気であるといえるでしょう。
それでは、結び方を簡単にご説明しますね。
①角帯の長辺を、50㎝程度を目安に半分に折ります。
こちらが「手」になります
兵児帯とおなじく、「わ」が下側になります。
②帯をおへその下、腰紐の位置に持ってきます。
「手」は体の右側へ、体の中心から30cmほどの長さを取ります。
③帯を1周巻きます。
1周目の帯が左脇の真ん中辺りにきたら、折っていた帯を開き、開いた状態のまま巻いていきます。1周巻けたら、一度ぎゅっと締めます。このとき、「手」は「垂れ」の上側に来るようにします。
④2周させ、もう一度ぎゅっと締めます。
帯が長かったり細身の方は、必要であればもう1周させてください。
⑤「垂れ」を内側に折り返します。
長さの目安は、「手」と同じくらいです。「垂れ」が長すぎて余るときは、余った部分を背中側へ入れ込んでみてください。
⑥前で結びます。
帯から飛び出した状態の「手」を下に向かって折り、「垂れ」とクロスさせて結びます。
ぎゅっと強めに結んでおきましょう。
⑦貝の形を作ります。
「垂れ」を斜め下に向かって下げ、今度は内側に折り上げます。
このとき、辺を合わせず、右斜め上にずらして折り上げるのを意識してください。ちょっと歪ですが、Vやハートの形を作るイメージです。
次に、「手」を、折った「垂れ」の間に通します。「手」と「垂れ」をそれぞれひっぱり、形を整えます。
⑧結び目を右回りに後ろへ回します。
逆に回すと、せっかく着付けた浴衣が着崩れてしまいますので、気をつけましょう。
結び目は、背中の真ん中から左右どちらかに少しずらした方がこなれた風に見せることができます。
⑨前側の帯のずれ、浴衣のしわや襟などをさっと整えます。
帯は、体を横から見たとき、結び目が前側より少し上にくるようにすると、見た目が良くなりますよ。以上で完成です。
お助け小道具について
上述したように、手順を書くと長いので、難しく感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、いざ結んでみると、そうでもないぞ?ということがわかって頂けるかと思いますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
と言っても、やはり不安なあなたには、ちょっとしたお助け小道具をおすすめします。
それはバインダークリップです。着物専用のものは必要ありませんので、気軽に試してみてくださいね。
やり方を少し書いておきます。
①最初に半分に折ったとき、25~30㎝くらいの上側をクリップで挟みます。
そして、おへその位置くらいで腰紐も一緒に挟んでしまいましょう。
こうすると、巻くときに帯がずり落ちることはありません。
②帯を2、3周させたところでクリップを外し、帯の下側をまとめて挟みます。
これで、次の過程「垂れを内側に折り返す」に集中できます。
③垂れを内側に折り返したら、今度は折り返した帯もまとめてクリップで留め直します。
留める場所は、同じく帯の下側です。これで帯は安定しましたね。最後の仕上げ、貝の形を作りましょう。
結んだ後にクリップを外すのを忘れないでくださいね。
④おまけですが、ほどけないか心配な方へ。
貝の口先、つまり半分に折っている内側の部分と、巻いている帯をクリップで挟んでおいてみてください。形が固定され、ほどけにくくなります。
クリップが外から見えないように気をつけてくださいね。
また、浴衣や着物を着たり、帯を結ぶときは、鏡を見ながらすると断然やりやすくなります。姿見のように全身が映るものがおすすめです。
また、できたら背中側にも鏡を置き、合わせ鏡のようにすると、背中側も綺麗にできているかチェックできますよ。
なお、これまで書いてきた数字は、あくまでも目安です。個人差がありますので、ご自分の体格や巻き方に合わせて調節してくださいね。
貝の口は、着物や浴衣など、袴以外のほとんどの和服に対応できる、覚えておくととても便利な結び方です。
また、結び目がぺったんこになるため、長時間の運転や食事のときでも、気兼ねなく背もたれを使用できます。
何より浴衣の後姿を、粋に、男らしく見せてくれるのが貝の口です。そんな、便利なだけでなく、昔から愛されている貝の口。
ぜひ結んでみてくださいね。
いかがでしたか?兵児帯も角帯も、それぞれに良さがありましたね。
どちらも簡単に結べ、いつもと違う浴衣姿のあなたを演出してくれます。
今年はぜひ浴衣にチャレンジして、日本の夏を粋に楽しんでみてくださいね!
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