着物を着付ける時の帯の結び方のポイント10選
着物の楽しみのひとつは帯ですね。色や柄で帯を選ぶのに加えて、帯結びでも自分で素敵にコーディネートしてみませんか?
着物の帯結びの始まりはお太鼓結び
「お太鼓結び」は背中に四角く帯を形作り、上辺はゆるやかに弓なりになった結び方ですね。
この弓なりの形が「太鼓橋」に似ているところからその名がついたともいわれています。時は江戸後期。
ある「お太鼓橋」の渡り初めのお祝いに、芸者衆が「お太鼓結び」で駆け付けました。
当時のファッションリーダー・芸者衆が締めていた新しい帯結びは、江戸の女性の間でも大流行したそうです。
また現在では着物の帯と必ずセットになっている帯揚げ・帯締めもお太鼓の発明と同時に使われ始めました。
それまで着物の帯は背中側でだらりと下げ、柄を見せるスタイルでした。
この頃からは、下げていた帯の端を帯揚げや帯締めでおさえ、ふっくらした形をつくるために帯枕も使われるようになりました。
お太鼓帯結びは便利な帯の結び方
着物の普段着、街着からお茶などのお稽古事、そしてフォーマルまで、お太鼓結びはいろいろなシーンで締められる帯結び。
年代も問わないので、いくつになっても、これひとつでとても便利なことが多くあります。多くの着付け教室で、まず最初に習う帯結びでもあります。
自分で手を背中にまわして結ぶ人もいれば、前結びにしたあと上手に後ろに回す人もいたり、あるいはお太鼓専用の道具を持っている人もいます。
それだけお太鼓帯結びはいまやポピュラーな着物の帯の結び方です。
袋帯でのお太鼓は「二重太鼓」、名古屋帯でのお太鼓は「一重太鼓」という名称です。
これは袋帯と名古屋帯の長さの違いで、袋帯のほうが長いため、お太鼓部分を二重にして形を整えることからついた名前です。
袋帯は着物帯のどんな種類?
表地と裏地を縫い合わせ、袋状になっている帯です。
幅は約31㎝、長さは4m17cm以上で、帯によっては多少の長さの違いはありますが、十分な幅や長さがあります。
フォーマルには袋帯しか使わず、合わせるときには「織物・金糸銀糸・古典柄」を仕立てた帯を用います。
振袖に合わせるものも袋帯で、たっぷりの量で豪華な飾り結びを作ることができます。
着物レンタル店では、もっとカジュアルに振袖に半幅帯を合わせたりもします。
「染め」の袋帯も多くあり、これはカジュアルなシーン向きです。
季節の柄や幾何学模様など、柄ストールや柄スカーフのような楽しみ方ができます。
気軽にお太鼓帯結びができる名古屋帯
名古屋帯って知っていますか?
袋帯はしっかりした仕立てで満足感も大きいのですが、その反面重いし生地もたくさん使うし。
そこで名古屋のある女学校の先生が、大正時代に考案したのが名古屋帯です。
胴に巻く部分の生地を半分にしたため、お太鼓を締める時間も使う生地も節約になりました。
当時は女性の社会進出がとても盛んだった時期です。
学校へ通ったり職業を持ったりした女性にはうってつけだったんでしょうね。
さらに名古屋の呉服屋さんが大量生産したためお値打ち。すぐに全国へと広まりました。
名古屋帯はセミフォーマルからカジュアルな場面で使われます。
こちらも袋帯と同じで、「織・金糸銀糸・古典柄」がセミフォーマル用。
カジュアル用であれば、多種多様な色柄や生地があり、選ぶ楽しみもたくさん。
特に少ない生地で仕立てられているぶん、軽くて薄いので、暑い時期などにも重宝されます。
帯の色々な変わり結び
帯を巻き付けるには、端を30~40センチほど片手に取り、残りの長いほうを胴に沿わせて行きます。
片手に取っているほうを「テ」、長いほうを「タレ」といい、変わり結びのときには「テ」の先を折ったり、「タレ」の先のほうでタックをとったりして形作っていきます。
いろいろな変わり結びも、いくつかの結び方が元になっています。
・お太鼓結び系
お太鼓を作るときに、テを動物の耳のようにとがらせ、タレはタックをとってふっくらかぶせる「ふくら雀」という変わり結びは有名です。比較的小ぶりで控えめ。
椅子の背もたれをつかっても崩れにくいので楽です。お太鼓専用帯である名古屋帯でも、工夫次第で変わり結びができますよ。
・お文庫系
もともと武家の女性にだけ許されていた結び方です。お文庫は一重のリボン結びのように見えますが、アレンジではリボンの部分を二重にしたり広げたり、背中に沿って立たせてみたりとさまざまに変化させることができます。
かわいらしいイメージに出来上がります。
・立て矢系
お城につかえる奥女中が締めていた帯結びで、大きなリボン結びを斜めに立たせたような結び方です。
これもリボンの部分を片方だけ広げたり、リボン中心部にタックをとって巻くなどのアレンジをします。
簡単な帯結びは半幅帯から
その名の通り、袋帯の半分の幅で仕立てられた、普段着用のカジュアルな帯です。
袋帯は半分に折りながら胴に巻き付けていき、帯結びは背中で帯幅全部を使って飾り結びをすることができますが、半幅帯はそのボリュームは出せません。
ですが普段使いでは、豪華な結び方にする必要性はあまりないのです。むしろ、昔は外出時に必ず羽織を羽織っていたので、帯結びは見えず。
というわけでボリュームを出さない、背中にぴったり沿った「貝の口」のような結び方もよく使われました。
普段の生活のなかで体の動きを制限されたくない、ゆかたや紬などのTシャツ・ジーンズ感覚での普段着着物や、おしゃれ外出着の小紋などに、半幅帯はぴったりなのです。
小ぶりで扱いやすく、帯揚げ・帯締めなど使わなくてもいいので、自分で最初に帯結びにチャレンジしやすそうなのもオススメ。
始めてみるなら、お文庫系の結び方から取りかかってみるのはいかが?
リボン結びのようでなじみ深く、半幅帯でもボリュームが出てかわいらしいです。
男性着物の帯の結び方
カップルで着物レンタルや着物を着て、おでかけしたいと思ってる人も多いと思います。
そこで男性用帯についても少し。女性に比べて男性の帯の使い方はとてもシンプル。
外出着用の「角帯(かくおび)」とカジュアル用の「兵児帯(へこおび」の2種類です。
角帯は幅10センチ前後、長さ4メートルほどの平たく仕立てられた帯です。
季節ごとの生地に違いはありますが、「格」についてはあまり厳密ではありません。
フォーマルからカジュアルまで、外出するときに着る着物全般に使うものです。男性のフォーマルでは袴を履くため帯が目立たないのが、あまり厳格に決められていない理由なのでしょうね。
結び方も「貝の口」をひとつ覚えればオールマイティ。いつでも着物でおでかけできちゃいます。
もう一つの帯、兵児帯はやわらかくふわっとした素材です。
ちっちゃなお子さんのゆかたの帯に使われる帯の大人版です。
兵児帯はリラックスしたときに使う帯で、家の中での着物やゆかた、また角帯よりもゆったり着たいときにも、外出用の着物に兵児帯を合わせたりすることもあります。結び方は「片わな結び」。
いわゆる「リボン結び」か「片リボン結び」でOKという気軽さです。たった一つのポイントは、どちらも巻く位置。
お腹周りではなく腰骨の位置で結びます。
角帯はきりり!と。兵児帯はゆったりと締めてみてくださいね。
着物姿を引き立てる帯結び
着物全体を引き立てる帯と帯結び。
着物を美しく着こなすにはそれぞれを引き立て合うコーディネートがありますが、さらにそれぞれをつなげる小ワザもあります。
次のことにも気を付けてみましょう!
帯揚げで帯結びを綺麗に!
帯枕をつつんで帯結びをきれいなな形に作り、保ちます。
みぞおちのあたりできれいに結ぶのですが、帯から出て身八ツ口を通り、前で結ぶまでの帯揚げが案外目立つのです。
きれいにたたんですっきりさせ、結び目は帯のなかへグッと押し込めるととてもうつくしくなります。
礼装のときには少し出し気味にして、華やかさを演出するといいですね。
帯締めで着物の帯をより華やかに!
帯の上から結び、帯結びをしっかり固定します。
また帯や着物とのコーディネートが楽しい小物です。結んだ先は、脇で下から上にはさみこみます。
落ちてこないように注意ですよ。
おはしょりはバランスに注意!
帯の下から指一本分出ている、着物の折り返し部分です。
着物は背丈よりも十数センチ長めに仕立てられているため、ウエストから腰骨のあたりで折り返しを作って裾の長さを調整します。
指一本分以上長いと子供っぽく見え、あまりに短くてもカッコ悪いとされ、バランスが重視されます。
腰紐の位置を上げるとおはしょりが短くなり、下げると長くなるので、自分の体型で調整してくださいね。
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