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2020.03.19

京都の歴史を知る!銀閣寺の基礎知識

京都の歴史を知る!銀閣寺の基礎知識

銀閣寺は、金閣寺と並ぶ京都の有名観光スポットです。日本史の授業で名前を聞いたことがあるという方もいるのではないでしょうか。
しかし、銀閣寺は有名なわりには見どころや歴史はあまり知られていないことも多いスポットです。今回は銀閣寺の歴史や見どころ、周辺の観光スポットなどを紹介します。

銀閣寺はどんなところ?歴史と基本情報

銀閣寺は、正式名称を「東山慈照寺」という臨済宗相国寺派の寺院です。京都市上京区にある臨済宗相国寺派大本山の「相国寺」の境外塔頭(けいがいたっちゅう)で、。「古都京都の文化財」の一部としてユネスコ世界遺産に登録されています。
また、金閣、飛雲閣(西本願寺境内)と合わせて「京の三閣」とも呼ばれています。

銀閣寺の歴史

銀閣寺は当初、室町幕府八代将軍の足利義政の山荘である「東山山荘」として作られました。造営が始まった文明14年(1482年:室町時代)は京都を対価に包んだ「応仁の乱」終了直後で、京都の経済は疲弊していましたが、足利義政は庶民に臨時の税をかけたり、労役を課したりしてまで造営を行いました。
しかし延徳2年(1490年:室町時代)、すべてが完成する前に足利義政は死去。造営途中だった東山山荘は、義正を弔うために臨済宗の寺院となり、相国寺の末寺として義政の法号慈照院にちなんだ「慈照寺」が創始されました。これが銀閣寺の始まりです。

銀閣寺の基本情報

  1. ・名称:臨済宗相国寺派 東山慈照寺
  2. ・住所:〒606-8402 京都府京都市左京区銀閣寺町2
  3. ・電話:075-771-5725
  4. ・拝観時間:3月~11月 8時30分~17時00分(下山:17時20分) /12月~2月 9時00分~16時30分(下山:16時50分)
  5. ・参拝料金:大人(高校生以上)500円 小・中学生300円
  6. ・交通:京都市バス 5系統、17系統、32系統、急100系統、急102系統、203系統、204系統 、MN204系統 「銀閣寺道」下車

どんな魅力がある?銀閣寺の見どころと行事

金閣寺に比べると地味なイメージが強い銀閣寺ですが、銀閣寺には金閣寺にはない魅力と見どころにあふれています。
また、通常時は庭園しか拝観できない銀閣寺ですが、春秋は一部の建物が特別公開されます。

見どころいっぱいの銀閣寺

【銀閣寺垣】
総門を入ってすぐ、周囲がまったく見えないほど高い生け垣があります。その生垣の下の方にある竹垣が銀閣寺垣です。なんの変哲もない竹垣ですが、石垣上に竹垣を一体化させる形式の原型が銀閣寺垣であるといわれています。
総門から中門までおよそ50mほど続いている銀閣寺垣は、俗界と浄土を区切る境界のような趣があります。
【観音殿】
観音殿は「銀閣寺」と呼ばれる慈照寺全体のうち、特に「銀閣」と呼ばれる建物です。銀閣という通称は室町幕府三代将軍の足利義満が建てた「北山山荘」が、その外観から「金閣」と呼ばれていることから、その対となるものとしてつけられたものです。
金閣には金箔が使用されていますが、銀閣には銀箔は使用されていません。「侘び寂び」を表現した独特の風情があり、「銀」らしい落ち着いた渋みを感じることができます。
木造2階建ての楼閣建築で、初層は「心空殿」といわれる住宅風、上層は「潮音閣」と呼ばれる仏堂で、観音菩薩坐像が安置されています。
東山文化の楼閣建築を代表する建築物として国宝に指定されています。
【庭園】
銀閣寺の庭園は、錦鏡池(きんきょうち)を中心とする池泉回遊式庭園で、特別史跡・特別名勝にも指定されています。「苔寺」の通称で知られる西芳寺庭園を模して造られたといわれていますが、江戸時代に改修されているため、苔寺の庭園とは異なった趣があります。
また、東方山麓にある枯山水庭園は室町時代の面影を強く残しており、錦鏡池周辺とは一味違った風情を楽しむことができます。
【銀紗灘と向月台】
庭園の中でも本堂前に広がる波の形にした砂の庭園を「銀紗灘(ぎんしゃだん)」といいます。昼でも美しいこの砂の庭園は、月の光を反射させるように計算して作られているそうです。夜間は拝観できないため実際に確認できないのが残念ですね。
また、銀紗灘の隅には砂を盛って作った「向月台」が設けられています。高さ180cmほどあるこの独特な構造物は、東山に登る月を眺めるためのものだそうです。
【東求堂】
一重入母屋造、檜皮葺きの東求堂(とうぐどう)は、阿弥陀如来を祀る阿弥陀堂として作られた建物です。ここには現存する日本最古といわれている茶室があり、床の間、違棚、付書院といった「書院造」様式が定着する前の原型を見ることができます。
茶道、華道、能などの東山文化が生み出されたといわれる場所で、観音殿同様、国宝に指定されています。
【展望所】
境内の東側にある高台は展望所となっており、銀閣寺の境内を一望することができます。桜や紅葉の時期の景色は圧巻です。

銀閣寺の行事

銀閣寺は通常、建物の内部を拝観することはできませんが、春秋の特別公開期間は「東求堂」と本堂の「方丈」、茶室の「弄清亭(ろうせいてい)」が一般公開されます。
特別拝観料がかかりますが、書院造りの原型となった東求堂、与謝蕪村と池大雅作の墨絵が描かれた襖の複製が置かれた方丈、奥田元宋の色鮮やかな襖絵を鑑賞できる弄清亭を合わせて観ることができます。
ガイドの案内つきでスタート時間が決まっています。毎回20名程度、当日先着制なので拝観を希望する人は早めに申し込むようにしましょう。
特別拝観の期間は、春は3月中旬から5月上旬、秋は10月上旬から12月上旬ごろまでです。年によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

気になる銀閣寺の「御朱印」は

銀閣寺でもらえる御朱印は中央に「観音堂」と書かれた1種類のみです。書置きではなく、その場で書いてくれるタイプなので閉門ギリギリになると受け付けてもらえない可能性があります。御朱印をもらうときは時間に余裕を持ってお願いしましょう。
また、銀閣寺ではオリジナルの御朱印帳も用意されています。観音殿(銀閣)と向月台が銀色で描かれたシンプルなデザインで、5色の中から選ぶことができます。

要チェック!銀閣寺周辺の観光スポット

京都の観光名所の一つである「哲学の道」に隣接する銀閣寺の周囲には様々な観光スポットがあります。銀閣寺に行ったら周囲のスポットにも足を伸ばしてみましょう。

清泰山 浄土院

銀閣寺の隣にある「浄土院」は、小じんまりとした佇まいのお寺ですが、京都四大行事とされる五山送り火のひとつ「大文字」を管理している由緒正しいお寺です。
楊貴妃に例えられるほど美しかったといわれている浄土寺二位尼「丹後局」の立像を見ることができます。

八神社

銀閣寺参道の脇道を少し進んだところにある八神社は、銀閣寺と浄土院の鎮守社だった神社です。名前のとおり八柱の神を祀っているこの神社は、銀閣寺などに比べると訪れる人が少なく、申請で落ち着いた雰囲気にあふれています。

善気山 法然院

茅葺で数奇屋造りの山門が目を引く法然院は、紅葉や椿の名所として有名なスポットです。普段は無料で拝観することができ、拝観時間内であればだれでも自由に境内を散策することができます。
また、椿が見ごろを迎える時期は伽藍内特別拝観が催されます。伽藍内の拝観は有料ですが、庭に咲いた椿、大きな花手水に浮かぶ椿など色とりどりの椿をゆっくり鑑賞、撮影することができます。

本山修験宗 弥勒院

哲学の道沿いにある弥勒院は、幸せを招くという「幸せ地蔵尊」が祀られているほか、苦難や人生の壁を乗り越える力を持っているといわれる「乗り越え不動尊」が祀られているお寺です。
朝8時30分ごろから夕方5時30分ごろまで自由に参拝できるため、いつでも気軽に立ち寄ることができます。


この記事の著者

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