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2020.02.01

京都の名所「五重塔(東寺)」の内部の構造や見どころはここ!

京都の名所「五重塔(東寺)」の内部の構造や見どころはここ!

清水寺や金閣寺、伏見稲荷など名所がたくさんある京都ですが、五重塔がある東寺は京都のシンボルの一つであり、名所中の名所といえます。
しかし、イラストマップなどで見たことがあるわりには、名前やどこにあるか知らないという人も多いようです。今回は五重塔や東寺について紹介します。

東寺ってどんなところ?基本情報を紹介

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東寺は都が奈良から京都に遷都したときに建立された国立の寺院で、当初は国が管理する「官寺」でした。
その後、嵯峨天皇が真言宗の開祖である空海(弘法大使)に託し、日本で最初の密教寺院となりました。
現在、東寺は真言宗の根本道場、東寺真言宗の総本山となっています。教王護国寺と呼ばれることもあります。

度重なる焼失と再建

平安時代に建立された東寺ですが、文明18年(1486年:室町時代)の火災で五重塔などの多くが焼失。焼失のたびに再建されましたが、何度も火災に見舞われているため創建当時の建物は残っていません。
しかし、建物の配置や規模は創建当時のまま再建されており、平成6年(1994年)に世界遺産に認定されました。

  1. ・名称:真言宗総本山 東寺(教王護国寺)
  2. ・住所:〒601- 8473 京都市南区九条町1番地
  3. ・電話::075-691-3325
  4. ・交通:近鉄「東寺駅」より徒歩10分/JR「京都駅」八条口より徒歩15分/バス「東寺東門前」下車

東寺のシンボル五重塔

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五重塔は東寺建立当初は存在せず、嵯峨天皇から東寺を託された後に空海が創建を始めた建物です。しかし、費用や人手が不足していたため実際に完成したのは空海が亡くなったあとです。
また、火災や落雷で4回焼失しているため、現在ある五重塔は、寛永21年(1644年:江戸時代)に徳川家光が再建した五代目の塔です。高さはおよそ55mあり、木造塔としては日本一の高さです。

五重塔の内部はどうなっている?

五重塔内部は通常は非公開です。
初層は、本尊を安置する「須弥壇(しゅみだん)」の中心には大日如来像の代わりに五重塔の各層を貫いている芯柱があり、その周囲を四尊の如来と、八尊の菩薩が囲み、須弥壇の四方の柱には「金剛界曼荼羅」が描かれています。
さらに、四面の側柱には八大龍王、壁には真言八祖像が描かれ、真言の教えが伝わった歴史が表現されています。

曼陀羅とは

曼陀羅とは密教の教義に基づいて仏教の教えや仏教世界を図で表現したもので、起源は原始仏教が始まった古代インドです。
密教の教えの中心となる大日如来を中央に配置し、一定の法則にしたがって周囲に諸尊を配置した図柄になっています。
空海が唐から持ち帰った「胎蔵曼荼羅」「金剛界曼荼羅」の2つを合わせて「両界曼荼羅」といいます。
五重塔には「金剛界曼荼羅」が描かれていますが、須弥壇の諸尊もそれに順じた配置です。

五重塔の外側にも注目

五重塔の屋根を見ると屋根の付け根あたりに屋根を背負った小さな鬼の像があるのが見えます。
これは仏像や仏画では四天王に踏まれていることが多い「邪鬼」と呼ばれるものです。
また、五重塔の屋根には青銅でできた「相輪(そうりん)」が立っています。
これは、五重塔が釈迦の骨(仏舎利)を収めた「ストゥーパ」が変化したもので、相輪はその名残だといわれています。

五重塔だけじゃない!東寺の見どころ

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東寺といえば五重塔が有名ですが、境内には金堂、講堂、食堂(じきどう)、宝物館など様々な建物が存在します。それぞれ古い歴史を持ち、見所も多いのでぜひ巡ってみましょう。

東寺の本堂である「金堂」

門を入った正面にある「金堂」は東寺の本堂で、国宝に指定されています。東寺は、国を守護する役目を持つ官寺として羅生門の東側に創建され、最初に工事が始まったのが「金堂」です。
本尊の薬師如来は薬壺を持っていない古い様式で、光背と呼ばれる部分に七体の小さな仏が配置されているのが特徴です。
薬師如来の両脇には日光菩薩と月光菩薩。如来像の台座には十二神将が並んでいます。

立体曼荼羅に圧倒される「講堂」

東寺の境内うち、大伽藍が建っているエリアはほぼ正方形をしていますが、その中心にあるのが重要文化財である「講堂」です。
密教の教えを伝えるための場所として作られた講堂は、本尊である大日如来を中心に、阿弥陀如来、不動明王など数多くの仏像が配置され、立体曼荼羅の構造になっています。
国宝や重要文化財が集まる講堂は、日本の仏教美術の粋を集めた空間といえるでしょう。

「食堂」で写経に挑戦

講堂の北側裏にある「食堂」は僧たちが生活の中に修行を見出すための場所として建てられました。四国八十八ヶ所巡礼や洛陽三十三所観音霊場などの納経所でもある食堂では、当日申し込みで写経ができます。
般若心経を書き写すことで無心になり、仏心に向き合うことができる写経に挑戦してみてはいかがでしょうか。
なお、門から一直線に並んでいる金堂・講堂・食堂は仏教の教えである「仏法僧」を表しています。

空海が住んでいた「御影堂(みえいどう)」

境内西北部の一画に建つ「御影堂」は、かつて空海が住んでいた仏堂で、念持仏だった不動明王が安置されています。
毎月21日の午前10時から行われる「御影供」は大勢の僧が集まって法要が執り行われ、なかでも4月21日の「正影御供」はまさに「圧巻」の一言です。
また、「御影供」と「正影御供」がある日は「弘法市」といって境内に様々な露店が立ち並びます。普段の東寺とは違う賑わいを感じてみてはいかがでしょうか。

春秋シーズンに開館する「宝物館」

食堂の北側にある北大門を出た左側には、東寺の宝物を安置している「宝物館」があります。
普段は非公開となっていますが、春や秋の観光シーズンに公開されます。
宝物館を公開している時期は食堂でも催しが行われていることが多いほか、五重塔の初層公開、五重塔ライトアップなどと時期が重なることがあるので、時期をチェックして訪れてもよいでしょう。

東寺周辺の観光スポット

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京都の観光スポットは京都駅よりも北側のエリアに多くあつまているため、京都駅より南側にある東寺の周辺は観光スポットがやや少なめです。

櫛笥小路

京都は豊臣秀吉のころに大規模な整備が行われ、道幅も改修されました。
しかし、東寺の北大門をくぐった先に現れる「櫛笥小路(くしげこうじ)」だけは東寺の境内だったためか改修されておらず、平安時代に作られた道幅のままとなっています。
風情ある白い石畳の道で、突き当たりの八条通りまでタイムスリップしたような気分を味わうことができます。

京都水族館

櫛笥小路を北上すると八条通りに突き当たりますが、八条通りをさらに北上すると「梅小路公園」につきます。
この梅小路公園の敷地内にあるのが、日本初の内陸型大規模水族館である「京都水族館」です。
日本海を再現した大水槽は人工海水100%使用。愛らしいペンギン、アザラシやイルカもいます。天然記念物のオオサンショウウオにも会える水族館として評判です。

京都タワー

和ろうそくのような形が特徴的な「京都タワー」は、五重塔と並ぶ京都のランドマークです。
地上100mにある展望室からは市街地を360度見渡すことができるだけではなく、京都の夜景を堪能できるバーや京都の味を食べ歩きできるフードホール、京都の逸品やお土産を買えるフロアなど盛りだくさんです。京都駅のすぐそばなので、観光の最後に立ち寄ってもよいですね。
さらに、ホテルや大浴場も備えているため、観光拠点や旅の疲れを癒したいときにも最適です。
京都タワーについて詳しく知りたい方はこちら
京都駅前にある「京都タワー」の楽しみ方を紹介!

伏見稲荷

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トンネルのように連なる鳥居で有名な「伏見稲荷」は全国にある稲荷神社の総本山で、海外からも人気が高いスポットです。
閉門時間はなく、いつでも好きな時間に参拝可能ということもあり夜間でも人がたくさんいます。
東寺と伏見稲荷はバスの路線が繋がっていないため、公共交通機関を利用する場合は一度京都駅に戻って乗り換える必要があります。
伏見稲荷大社のことをもっと詳しく知りたい方はこちら
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